新型コロナウイルス感染が予測出来ない状況で医療態勢が崩壊しつつ有る中、患者によっては命の選択を余儀なくされるケースが出てきている様です。
23年前に命の選択を自ら決断した父親の話です。胃の調子が悪いので近くの病院に検診に行った時、胃ガンと診断され、東大病院に検査入院をしました。

検査結果は既に肺・肝臓・リンパ節に移転をしてる「末期ガン」  この時、東大病院の院長は「今、元気なお父様の手術をすると病人になるよ」と、今思うと素晴らしい診断をして頂きました。

院長から抗癌剤治療の専門医を紹介されましたが父親は「完治するなら治療するが、完治しないなら苦しい治療は断る」と言って死期を待つ決断をしました。

残念ながら当時は現在の様な素晴らしい抗癌剤は無く、試験的な治療しか有りませんでした。

余命2カ月と宣告された父親は「死の決断」をしてからは、好きなお酒と旅行を楽しみ8カ月間の死のロードを進みました。

ベッドの上で痙攣している父親に心臓マッサージをしようとした医者を跳ね除けて、私は父親に馬乗りになって両肩を押さえ、最後は私の手の中で眠る様に逝きました。

死に向かって日々を過ごした父親の勇気有る決断を素晴らしいと思います。